充分に温められた室内に、熱いくらいの体にとって、外気に冷やされた窓ガラスは、ひんやりと心地良い。
窓から眼下を見渡せば、街全体がイルミネーションに明るく輝いている。

「随分と賑やかだな。」
「そらー、クリスマスと終戦記念日、二つのお祝いが重なってるから。」
「あぁ、そうだったな。」
「よく言うよ。さっきまで、終戦記念日は覚えてたくせに、クリスマスだって事に気付いてなかったじゃん。あんだけ、街中に『Merry Christmas』の文字が躍ってるっていうのに、気が付かない方がどうかしてるぜ。」
「余り、気にしていなかったからな。」
「ま、そんな所が、ヒイロらしいっちゃヒイロらしいよ。」
「今まで、クリスマスなんて祝った事なかった。」
「それ言ったら、オレも同じ。」
「そうなのか?デュオの事だから、友達とパーティでも楽しんでるかと思ったんだが。」
「ま、そういう年もあるけど。そう多くはないな。」
「意外だな。」
「クリスマスに理由付けて飲んだくれるのが関の山だったよ。」
「俺にとっては、普通の日に過ぎん。」
「そもそも、クリスマスは家族と祝う行事だから、そんなもんの無いオレには関係なかったし。つか、お前の国くらいだぜ、カップルで祝うのが当たり前になってるようなのは。」
「ふーん。」
「なんだよ、その訝しげな顔は?」
「そういいながら、こんな一流ホテルを予約した上、ベッドでシャンパン飲んでるお前はなんなんだ。」
「いや~、カップルで祝う習慣にのっとってみようかと思ってさ。」
「・・・物好きな奴だ。」
「なんだよ~。お前だって素直にオレについてきたじゃん。」
「お前の意図なんて知らなかった。デュオが勝手に連れて来たんじゃないのか。」
「そんな事言ったって、ヒイロだって、素直にオレに抱かれたじゃん。」
「!!」
「あ~もう、そんな窓辺に素っ裸で立ってると風邪引くぞ。こっちこいよ。もう一回温めてやるから。」

そう言って、ベッドの中から裸の上半身を伸ばして、ヒイロの腕を掴む。
いつもなら、抵抗の一つでも見せそうなヒイロは、大人しく引き寄せられた。
それに気を良くしたらしいデュオが、満面で言う。
「Merry Christmas、ヒイロ。」
そんなデュオを見上げながら、ヒイロは口元で薄く笑った。
「終戦記念日おめでとう、デュオ」

■あとがき(別名:言い訳)■

甘っ!!