【サーカスのピエロさんの場合】
俺の場合は特には無い。
何だ、カトル?
あぁ、この前のサーカスの話はどうだったかって?
あの2人が俺のサーカスを観に来た時の事か?
そうだな…
この前、2人の家の近くにサーカス巡業で行ったんだ。
デュオとヒイロが観に来た。

楽しかったと言ってくれていた。

・・・・

今度は何だ、カトル、五飛?
もっと詳しくか?
そうか、判った。

この前のサーカス公演に、2人が見に来ると、事前に連絡があった。
公演開始前に、楽屋に顔を出してくれたのだか、慌しく挨拶する程度しか時間が取れなかったので、
開演前に、客席の様子を覗いてみたんだが、席にはヒイロしか居なかった。
その時、若い男がヒイロに声を掛けてきていた。

そうか、あれがナンパが。
さすが、カトルは色々詳しいな。

勿論、すぐにジュース片手のデュオがふっとんで来て、その男達を睨み追い払っていたさ。

それから公演中、二人はずっと手を繋いでいたな。
『繋いでいた』、と言うより、ヒイロの手をデュオが離さないという感じだな。
ヒイロはもっと抵抗するかと思っていたのだが、意外と大人しくされるままになっているようにも感じた。
以前のヒイロなら、意外だっただろうが、最近は俺も見慣れてきたので、
そういうものかと見守っていた。

サーカスが始まるとテント内の照明は落ちる。
すると、デュオはヒイロの肩抱いてみたり、頭撫でてみたり、何かとヒイロにかまっていた。
『ナンパ』というのをして来ていた、ヤツらへのあてつけのように見えたな。

そのうち、デュオの行動はエスカレートして、
何かヒイロに耳打ちしては、耳に口付けてみたり、かなり堂々としたものだった。

周りは暗いが、俺の居た綱渡りのロープ上からは良く見えていた。

いずれデュオがヒイロに怒られるのではないかと少々ヒヤヒヤしていたが、
意外にヒイロが大人しかったのが印象的だった。

一通りの公演が終了した後、改めて2人が楽屋を訪ねてくれた。
公演前にゆっくり出来なかったので、コーヒーを入れながら話をした。

デュオが、
「今日は、久しぶりのデートだったんだよ~。トロワのサーカス見るのも久しぶりだったし、
すっげー、楽しかったぜ!」
と言って、喜んでくれていたようだった。
ヒイロも、その後デュオに、
「なっ?ヒイロ。」
と、同意を求められたら、笑顔で
「あぁ。」
と頷いていたので、楽しんでいたようでとても安心した。
だから、俺も「ヒイロ達も楽しそうな事をしていたようだな」と、言った。
すると、ヒイロはデュオを
「バカ。だから言っただろう!」
と殴っていたぞ。

そうか、そうだな。
こういうのを『当てつけられた』とでも、言うのだろうな。

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カトル氏の反応
「デュオは絶対に『大丈夫。誰も見てないって。』とか調子のいい事言ってたんでしょうねぇ。
 それを、素直に聞いてしまったヒイロもヒイロですが。
 僕もその場に居て、2人の様子を見て見たかったなぁ。
 今度、2人をサーカスに招待して、僕は裏から見ている事にしようかなぁ。」

と、企んだとか、企まないとか…

五飛氏の反応
「俺は、そんなヒイロの様子を見たいとは思わん!
 奴等はもう少しストイックな関係かと思っていたが、そんな甘い考えはもう撤回する!!」

と、呟いたとか、呟かないとか…

五飛の呟きを聞き逃さなかったカトル氏の呟き
「五飛、何をいまさら言ってるんですか。相変わらず真面目だなぁ」